鮎川詢裕子メッセージ

打ち明けるからこそ前に進める

先日、出張先のドイツのフランクフルトから東京に戻る際、帰国便が落雷に遭い整備点検で飛べなくなりました。

深夜にホテルに入り夜食を取り1泊しましたが、結局帰国便の整備のめどが立たず、全員が振り返便で帰国することになりました。

もともと直行便でしたが、便数が少ないためほとんどの人が経由便で帰ることになりました。

今回、たまたま日本の航空会社だったのですが、海外の1都市での人的リソースに限りがある中、乗客対応からホテル手配、搬送、帰国対応など、職員総出で緊迫した状況下、一生懸命対応してくれる航空会社の姿勢は素晴らしかったです。

安全第一でできるだけ早く乗客を日本に帰そうとしているのが、その在り方から伝わってきました。

それでも先が読めない不安やストレスがつのる乗客の対応には難しい面があったと思います。

翌朝、臨時のカウンターが設置され、乗客が4列を作って並び、振り替え便に切り替えていくのですが、それぞれの列が進むのはとても遅く、2時間経過後も立っていなくてはなりませんした。

俯瞰しながら、何が起きているのだろうと見ていました。

現地職員が後ろに並ぶ乗客を気遣って来てくれたので聞いてみると
「それぞれの乗客は自分のことを話す必要がある」
ということでした。

ほとんどの乗客が心の中に溜め込んでいるものを外に出したい、誰かに受け止めてもらいたいと思っているのです。

それはどうしてなのでしょうか?

打ち明けることによって、溜め込んでいたものを外に出せる

外に出せると客観的に物事を他のことを考えるスペースができる

人に話すことによって、自分が何を思っていたのか整理・理解できる

人に話しているうちに「こんな風に思っていたんだ!」と本人が気づける

「つらい内容」そのものというよりも、「つらい心情をかかえている」のをわかってもらいたい

誰かに受け止めてもらいたい

のようなものがあるのでしょう。

あなたはこんな風に感じたことはありませんか?

それはコーチングも似ています。

利害関係がそもそもなくジャッジのない環境だから

なんでも話すことができます。

だからこそ経営者や上層部になるほど、

コーチングの機会が求められているのでしょう。

そして実は

職場や家庭、友人との対話でも同じことが言えるのではないでしょうか?

「ジャッジせずに聞いてもらいたい。」

人はそういう環境をどこかで求めているのです。

それによって前に進むことが出来るのです。

 

だからといって、

相手が話すまま聞きすぎると時間がかかり、聞き手の負担にもなります。

逆に聞く人のストレスにならないようなさりげない聞き方、

効果的な質問の仕方によって聞き手が引き出し上手になると両者にとって有効な会話を築きやすくなります。

特に職場では上下関係や利害関係があるので、第三者が行うコーチングよりも難しい面があります。

かかわる人の自己管理がより重要になってくるからです。

ですので、そのためのコツをつかめるかどうかで違ってきます。

コツがわかると力の抜き加減がわかってくるとぐっとラクになることでしょう。

 

空港内の臨時カウンターの4つの長い列は、時間をかけて解消していきました。

私は結局カタールのドーハ経由で、予定から30時間遅れて東京に戻ってきました。

ずっと一人でしたが、ホテルや空港で話せる人がいると落ち着きました。

精神的には疲れは感じませんでしたが、体力回復に時間を要しました。(笑)

疲れにくい身体に鍛えていこうと思います。

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