鮎川詢裕子メッセージ

ビジョン・目標実現に最も大切なものとは?~始まりのエネルギー

新たに何かを始める時、最初に大きなエネルギーが要ります。
ロケットが宇宙に向けて発射する時にも、最初に大半の燃料を使うといわれています。
これまでとは異なることを始めるてそれを実現するには、最初に大きな力が要るのです。

そのために私たちにも目標を実現してしていくためにはエネルギー(燃料)が必要になってきます。
このエネルギーとは何を指すのでしょうか?

お金でしょうか?
人材でしょうか?
情報でしょうか?

これらももちろん大事です。そして何よりも大事なのは、エネルギー(燃料)そのものです。
そのエネルギーとは目指す人の中に宿る想いのエネルギーなのです。

今までの習慣を変えてそれを始めるには、あなたがそのことにコミットしている、情熱が持てる、大事だと心が感じているかどうかという本当にやり遂げたいと心から(魂から)湧き上がるような熱い想い。

「何のためにそれをやるのか」というビジョンや目的への情熱や想いが必要なのです。

なぜなら、一度掲げたビジョンや目標、ゴールを成し遂げていくときに、困難やチャレンジを乗り越えていくパワーなしに実現していくことは難しいからです。

「やる気を出せ!」と伝えても効果が少ないようにやる気を出そうと思っても簡単に出るものではありません。

成し遂げていくためには、ビジョンや目標、ゴール設定時に自分が本当にやりたいという想いから始めていくことが大切なのです。

 


社会のニーズがありながらも「本当にやりたいのか?」と問われて

「これをした方がいい」「こうするべきだ」と会社や世間、統計が言っていることを主張できるけれど、何か目標を立てようとしたときに「そもそも自分が何を望んでいるのかわからない」という人がいます。

私もかつてそうでした。
かつて在職中に起業塾に通っていたことがありました。
その起業塾では、習ったことを踏まえて最終回に事業プランを発表することになっていました。
私は当時の社会環境を見て、共働きの人をサポートするサービスを思いつきました。
困っていた人もいるし、数値的な裏付けもありました。
共働きの女性の大変さに接する機会もあったし、小さなお子さんを育てるお母さんを助けられたらと思いプランを作りました。

発表の当日、少し緊張しながらも発表を終えました。
すると講評で塾長から、
「社会のニーズもつかめているし、需要もある。プランとしては悪くはない。」
と最初に言われホッとしたのもつかの間、
「でも、これを本当にやりたいと思っていますか?」
と聞かれたのです。

そして、「この事業を情熱を持ってやりたいという思いが伝わってこない。それでは事業はうまくいかない」と言われたのです。
「ニーズがあってプランもまあまあなのに、情熱がないとうまくいかないってどういうこと?」
当時は最初意味がよくわかりませんでした。
なぜなら、それまでの私は自身が本当にやりたいことを思ったり、心で感じ、考えることをあまりしてこなかったからです。
今ならよくわかりますが、当時の私はそれに気づいていませんでした。
その頃の私は社会が、世の中が、両親が正しいと言っているものや期待、会社からいただいた目標を多少疑問を持つことはあっても、結果としてそのまま受け入れて生きていたのです。
当時は「何が好きなのか?」すらよくわかりませんでした「今のまま生きているのは違う」と、起業塾に通い始めたものの、結局どうしたらいいのか、振出しに戻ってしまったような気がしました。


「そもそもなぜそれを行うのか?」という根っこの想いが形になっていく

ものごとを始めてそれを実現していくには、山あり谷ありでいろんなことが起きていきます。
その時にそれを乗り越え、成し遂げていくにはその人の中にある「続ける理由」が欠かせません。
どうして困難があってもそれをあきらめずに続けるのか?という行動の源泉です。
人によっては「生活のため」といった自分自身や家族の生きるの基盤にかかわることかもしれません。
「とにかくそれをするのが好きだから」とその活動が好きだということもあります。
さらには「こんな世の中にしていきたい」といった、大きな目的に熱い想いを持つ場合もあります。
きっかけがどうであれ、想いが強く、大きければ、大きな変化を起こしやすくなっていきます。

想いというエネルギーが物事を動かしていくのです。

この「なんのためにこれをするのか?」と伝えきれるかどうかは、人を巻き込んでいくリーダーシップにも深くかかわってきます

 

リーダーがビジョンを描く時に起きたこと

ある時、企業の組織長の皆さんに2~3年先のビジョン(ありたい姿)を描く依頼をした時のことです。
それまでは、フォームに従ってSWOT分析や業界分析、目標数値と根拠、達成確度といったものが各組織長に求められていました。
心に湧くビジョンは個別的に語られることはあったかもしれませんが、それまで「自分たちは何を望んでいるのか」を会社から求めたことはほぼなかったと思います。

各組織がビジョンを描く大切さを伝えたところ、多くの皆さんから返ってきたのは、「なんで自分たちがビジョンを描く必要があるのか」「そもそもビジョンなんて考えたことがない」「ビジョンとは企業のトップが考えるもので自分たちの仕事ではない」という反応でした。
当時、その会社ではトップダウンで決まっていくことが多く、会社の方向性は語られているものの、「望む想い」よりも「決められたことは実現しなければならない」という雰囲気が大半を占めていたように私は感じていました。

「しなければならない」という言葉には2つの意味があります。ひとつは自らこれをやり遂げると熱意とともにコミットしていて、それに向かっていく決意を表すときに使う場合、もうひとつは、自分がどう思っているかどうかは置き去りになった状態で、しなかったときの恐れをどこかに感じて使う場合です。

同じ言葉でもどちらの意味で使うかによって、身体の反応や、思考や行動が大きく違ってきます
一般的には後者の意味合いで使われていることが多いように思います。
あなたはどちらの意味合いで使うことが多いですか?

どちらが合っている、間違っているというわけではありません。
「しなければならない」状況から何かをつかんでいくこともたくさんあると思います。
ただ、
「しなければならない」状況にあっても、自分はどうなのかに気づいておくことが大切です。
それがわかると、部下や上司など周りがどうかにも目を向けやすくなっていきます。

中には厳しい環境が許さないこともあるでしょう。そのような環境にあっても、自分が本当はどう思っているか、何を大事にしたいのか、望んでいるのかに蓋をしないでいただきたいのです。
それがあなたの生きる原動力になるからです。

各組織長にビジョンを描くことを求めた時、
・すでに描いていたリーダー
・その時をきっかけに組織内の部下と話し合いながらビジョンを描いたリーダー
・その時をきっかけに自分でビジョンを描くようになったリーダー
・書かなければいけない(後者)ので書いたリーダー
がいました。

すでに描いていたリーダーは、自分が世の中に実現したいことをまず描き、会社の方向性と重ね合わせるようにして表現していました。
そこには会社に提出するためのものではなく、リーダー自身、そしてその組織内で共有するための、明確なゴールとゴールに至るまでの地図のようなものが写真入りで様々な角度から詳細に記載されていました。
以前から圧倒的な成果を出していたリーダーの秘訣を知りたいと思っていたました。その一つが本当に成し遂げたいことの明確化から始めていたのです。

また、最後の「書かなければいけないので書いた」リーダーの中には、はじめは提出しなければいけないので書いているというスタンスから、書き進めていくうちになぜ自分はこの仕事をしているのか、何が大事なのかという考えが整理されていき、徐々にビジョン、あるいは仕事の意義をこれまで以上に持てるようになったという人が出てきました。
そして、これまで会社が決めたことをどう自分なりに伝えるか、に悩んでいたのが、これまでとは違って、内側から湧き出る思いとともに正直に会社の方針に対する自分の考えを語り、「こういう組織にしていきたい」と、言えるようになったといいます。

組織と自分自身の目標を合わせる感覚がつかめると、部下の目標設定においても同じ考え方を応用することができるようになります。

 

意図を持つと伝播する

私たちは実際には現実をコントロールできるわけではありません。想定外のこともたくさん起きます。
本当に実現したい望みをただ純粋な思いで描いておく。すなわち意図を持つとそれが伝播していくことがあります。

論理的に証明できるのか、という質問がある時、以前なら少し躊躇していましたが、最先端の科学でも解明されつつあります。
それが人の素粒子レベルで感情が場に与える影響が証明されつつあります。
素粒子の中の光子(フォトン)が感情や気持ちを構成しているというのです。このフォトンは人の体内だけでなく、あらゆる空間、物質の中に存在しています。
想いが人やものごとを動かしていくというメカニズムです。

一度掲げたビジョンや目標、ゴールといったものを成し遂げていくときにも、困難やチャレンジを乗り越えていくパワーなしに実現していくことは難しいものです。

やる気を出そうと思っても簡単に出るものではありません。
目標やゴール設定をするときに自分が本当にやりたいという想いから始めていくことが大切なのです。

 

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