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鮎川詢裕子メッセージ
7.212019
外国の人たちと働くための異文化対応力

こんにちは。鮎川詢裕子(あゆかわじゅんこ)です。
今週末の土曜日は、異文化適応のプロフェッショナルファシリテーターの勉強会で、「中国文化とビジネス」をテーマにお話させていただきました。そして、文化のモデルにあてはめながらディスカッション。
このところ、これまでの生活やビジネスで感じてきたこと、企業の組織開発における経験を分析して話す機会が増えていたので、整理してきたことを共有する機会になりました。
日本人、他国の異文化のプロフェッショナルが顔を合わせました。
文化は目に見えにくく、感覚的で当事者すら意識化できていないことが多く、長く生活しているから説明しきれるものでもないところが興味深い。
その「見えないものを明らかにしていく」プロセスは、そうなった経緯や隠れている願いや恐れ、生きるのに必要だった固定観念を見ていくことにもつながります。
また、文化というものは、固定的なものではなく、ある一つの国を異なる価値観を持ったいくつかの国から見るとき、同じ国でも違って見えるものです。
たとえば、「学校の校則が厳しいくて大変」と思っていたけど、別のA校の生徒から見たら「ウチの学校よりはよっぽど自由(A校の方がもっと厳しい)」、B校の生徒からは「あんなに厳しい学校に通ってるなんてすごいなあ(B校の方が厳しくない)」というように、文化とは一つの国でも比べる国によって見え方が異なる相対的なものなのです。
我々がお届けしている「文化のモデル」とはオランダ人のホフステード博士がモデル化した「ホフステードの6次元モデル」です。
異文化を読み解く強力なツールの「ホフステードの6次元モデル」は、
世界各国の文化を
・権力格差(PDI)
・集団主義/個人主義(IDV)
・男性性/女性性(MAS)
・不確実性の回避(UAI)
そして
・短期志向/長期志向(LTO)
・人生の楽しみ方(IVR)
の6つで構成されていて
世界各国ごとに数値があります。
この6種類(6次元)の調査データ(数値)をもとに
その国の人たちがどのような価値観を持っているのかを
紐解き、どんなコミュニケーションを取っていくことが大事なのか、見立て、実生活に生かしていくことができます。
リーダーとして何が求められているのかなど、国や文化圏によってここまで違うのか?
と私自身もよく考えさせられます。
例えば米国は個人主義の傾向が高い国。
幼いころから「あなたはどう考えるの?」と自分の考えや意見を求められます。自分の考えを発言するようになります。
かたや中国は集団主義の傾向が高い国です。
一般的に両親兄弟の他、祖父母や親戚たちとのつながりの中で育つので、個人の意見よりも集団全体がうまくいくよう場を読み察しながら行動します。
となると、個人主義と集団主義では、仕事をする上で大事にしているもの、人間関係の築き方に大きな違いが出てきます。
アメリカでうまくいったからといって、中国で通用するとは限らないのです。
その要因となる文化や価値観は、直接見ることができませんし、物心つく前からその文化の中で育つと、当たり前すぎて自分の特徴に気づくのは難しいものです。
数年前、この6次元モデルを学んで以来、中国で経験してきたこと、今もしていることを6次元にあてはめて分析することによって、客観的に整理できるようになりました。
この6次元を理解することによって、「だからそういう行動になって表れるのか」「だから誤解を生むのか」等と、その要因やその行動の奥に隠れている価値観や背景が浮かび上がってくるのです。
「人が違えば、文化が違う」
その違いを乗り越えて、見つけられるはずの「互いのつながり」や「共通する感覚」をどのように持てるのか。
そのように考えて、対話力や、職場におけるコミュニケーションを入り口にしていくことが多いですが、
世界は広いのでこういう文化を表す数字があると、本当に助かります。
昨今、日本にはどんどん海外から訪れる外国人がいます。
外国人という一括り(ひとくくり)にする捉え方では、
真逆の価値観を持つ人には逆効果になり、
良かれと思っていたとしても、残念な結果になるケースは少なくありません。
現在は海外駐在者向けに、このホフステードの研修が行われることが多いようですが、
これからますます海外から人がやってくる日本で、こういった文化の枠組みを理解するのは、
意義深く大事な取り組みではないでしょうか。
日本は島国です。ニッポンのすばらしさを生かすとともに、
陸続きの国がある他国とは違い、外の世界を理解する機会が少ない私たちが、世界とどうつながっていくかも大事な視点です。
SDGsの重要性が叫ばれる声が大きくなっている中、
世界規模、地球規模の取り組みにおいても、
世界の文化を読み解き適応できる力を伸ばすことは
個人や企業のみならず、地球が一つになっていくことにも大いに役立つと考えています。
半日から1日でこの6次元モデルの枠組みを学び
自分にどう生かすのか、を考える道具が手に入ります。
興味関心がある国と自分の文化的思考傾向がわかり、
上司として、部下として、第三者としてといった立場を選択し
自分はどんなことを意識し、気をつけることが大事なのか
の助けとなるアセスメントも手軽に受けることが出来ます。
私もファシリテーターの一人として
中国で頑張っている起業家・赴任者の皆さんをはじめ、
異文化や外国とのかかわりを持っている、これから持とうとしている皆さんにお伝えすることによって、
異なる文化への戸惑いを減らし、自ら考え対応する力を磨くことで、より本業に集中しミッション・ビジョン実現のお手伝いをさせていただいています。
9月には中国で経営者向けにお話しさせていただきます。
マネジメントの一助になるようお伝えしてまいります。
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