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鮎川詢裕子メッセージ
10.302017
仕事を一人で抱え込み過ぎていませんか?
「できるから」、「他の人に任せきれないから」と一人で抱え込み過ぎて
本当はやりたいことができない。
重要な案件を勧められない。
あるいは「本当はもう限界に近いけれど、自分でなんとかするしかない」と頑張りすぎる。
そんなことはありませんか?
このような悩みに私たちはどうすれば抜け出せるのでしょうか。
どう対応していけるのか考えていきます。
一人で抱え込んでいる時何が起きているのか
一人であれこれ抱えていると、いろんなものに大事なエネルギーが分散されていきます。
意識をいろんなところに張っていると交感神経優位が続き、なかなかリラックスして集中することができにくくなっていきます。
何よりあなたが本来持っている独自の才能への回路が使われないことによって
発揮されにくくなります。
場合によっては、うまくやり切れないことに対する不甲斐なさや
見ないように蓋をして放置するしかなくなり
時間と共に余計につらくなっていくことがあります。
「一人で請負う」というのは、一見カッコよく聞こえますが、周りの才能を使っていくことができていない状況を生み出しているということができます。
他者に自分以上のレベルを求めて任せられなかったり、助けてもらいたいのに
誰にも助けを求められない。
誰でも人には限界があります。
それを受け入れていなかったり、あきらめているのだとしたら、言い方を変えれば自分で請け負い過ぎていて周りの協力を得られていない、周囲を巻き込めていないと考えられます。
特にリーダーシップの発揮という観点から見ると、自分一人で解決しようとしていてチームや他組織、関係者と協働するよりも、自分の安心感や価値観を優先しているある種の「自己満足」の状態ともいえるのです。
「えっ?自己満足だって?」と驚かれたかもしれません。
一人で抱え込みすぎてしまっているということは、別の見方をすると
こういう捉え方があるのです。
なぜなら、短期的にはやり過ごせても、この状態が続いていくと自分自身が疲弊していくことになりかねません。長期的な成果を生みにくいのです。
鶴の恩返しのように、自分の羽を使って尽くし過ぎる。
前に進めようというコミットメントはとても素晴らしいのに全体としてはうまく機能していかなくなるのです。
持続可能なやり方とは言えず、エネルギーロスも次第に大きくなっていきます。
何がひとりで抱え込む本当の原因なのか
もし心当たりがあるなら、自分が一人で抱え込んでいるのは本当な何なのか?
何が本当の原因なのかを考えてみましょう。
・仕事のレベルを維持するため
・周りも頑張っているので、言うと迷惑をかけてしまうから
・伝えても受け入れても受け入れてもらえない
・完璧主義
・周りを信用できない
・自分で成果をあげたい
・自分の能力を過信している
・自分が長く働くことで周りになんらかの影響を与えたい
・無理な計画を立てている
・本当はできないのに、「できる」と答えている
・人を育てる環境をつくっていない
・もっと認められたい
・自分にダメ出しし過ぎている
・人に頼るのが苦手
などが考えるかもしれません。
性格だから、短所だと、片付けずにその本質に近いところを見つめていくのです。
何か心当たりはありましたか?あなたの場合はいかがですか?
今の状況をつくっているのは、その奥にあるものを見ていくと、実は自分の捉え方が起因しているということが考えられます。
例えば
「できないと言ったら、自分の存在価値がなくなってしまう」
と思っていた場合、「自分でやる=自分の存在価値」と捉えているのかもしれません。
あなたの内側にある捉え方が影響していると言えます。
あなたがどう捉えているのかによって今の現実を作っていることがあるのです。
一人で抱え込むことに対応するには、その要因となる思考や捉え方に気づき、自覚していくことが解決に向けた大事な要素の一つになります。
これがわかると、起きていることにはまりこんでいる状態から抜け出して、自分を客観的に見ることができるようになり、それまでとは異なる次の段階に行くことができます。
そして、今の捉え方をよく見ていくと、これまでにも同じようなことを繰り返す思考パターンとなっている可能性があります。思考のクセです。
先ほどの、本当は自分はいっぱいいっぱいなのに、「はい。やります」と答えて一人で抱え込みすぎている場合、
なんでそう答えているのかを見ていくと、ある人は「自分がそう言わないとできない奴と思われてしまう」という恐れを持っているのかもしれません。
もし、できない奴と思われると「役立たずだと思われて自分がいる意味がなくなってしまう」と考えたりするのです。
また別の人は、「他の人に任せていては余計に時間がかかってしまう」。もしそうだとすると、「自分でやった方が速い」とどちらの場合もどんどん自分で引き受けているのかもしれません。
この思考のクセに気づいたら、いつ頃から持ち始めたのかを見つけて対応していくこともできます。
この思考のクセは、今の自分には不必要なものに思えるかもしれませんが、それができた時にはその時のあなたにとって、最善のやり方だったのです。
ですので自分のクセを責めるのではなく、「そうだったんだね」と受け入れて、その上でどうしていくか見つけていくことが大事になってきます。
これについてはまた改めて触れていきたいと思います。
まずはその時の自分も最善を尽くしていたのだということを覚えておいてください。
話を少し戻して、この思考のクセは事実をどう捉えるのか、無数の解釈の中の一つということができます。
その解釈をあたかも事実として固定観念にして抜け出せなくなることが、私たちにはよくあります。
何が本当の原因なのかに気づき始めたら、次に進んでいきましょう。
今と違う視点に立ってみる
あなたがもし、あなたとは全く性格が異なる人や立場が違う人、例えば尊敬する人、あこがれている人、スーパーヒーローだったとして、今のあなたと同じ状況にいたとしたら、どんな捉え方をし、どんな行動をするでしょうか?
まずは、もし自分がその人だとしたら、どんな体の感覚がするのか、どのような呼吸をしているのか、実際にその人になりきってみてください。
どんな感覚がしますか?
そしてあなたがなりきっているその人だとしたら、どのように捉えて、どんな行動をするでしょうか?
きっと今のあなたとは異なる解釈をして別のやり方をすることでしょう。
なぜなら、事実は一つでも捉え方(解釈)は無数にあるのです。
今の状況を客観的に俯瞰して見ることができたり、ほかの人の立場に立って捉える、〇〇さんの視点から自分を見てみると自分がどのように見えるのか、どんな声をかけてくれると思うのかイメージしていくと、これまでとは異なるやり方やヒント、糸口が見えてくることがよくあります。
やりにくい場合は、身体を動かしてみましょう。少し深呼吸を何度かして息を吐く時に体を緩ませてあなたをリラックスさせてあげてください。
職場の席から離れて少し遠くから自分の状況を見てみる。
尊敬できる人の席やその近くからどう見えるのか、見てみる。
苦手な人の立場から見てみるとどうかということも役に立つかもしれません。
あるいは、あなたが自然体でいられる場所やシーンで自分を満たしてあげて、そこから今の状態にいる自分を見てみると違う捉え方がしやすくなります。
今の状況を変えたいのならまず
この状況を作り出しているのは自分のどんな思考や解釈なのか?
を見つけていきましょう。
それから、ほかの視点から見ていくといいでしょう。
一人で行う場合は、気持ちや思い浮かぶことをどんどん紙に書き出してみると整理しやすくなります。
紙に書き出すことで、内側にある気持ちを身体の外に出すことができるからです。
もし、気持ちの余裕がないなら、一人で抱えていないで誰かに手伝ってもらう、若しくは誰か信頼できそうな人に相談してみましょう。
誰かに話すととても気持ちが楽になります。
身近にいなければ、そういったことができそうな人や専門機関を紹介してもらうのもいいでしょう。
あなたにとっては不可能に思えることでも専門家なら沢山扱っていて、どんな手立てがるのか、どう進めて行けば効率的なのかをあなた以上に知っている筈です。
話すことで物事が整理されていていきます。
依頼するかどうかは話した上で決めればいいのです。
長い間抱えていると、この一歩が難しいことがあります。
まずはほんの少しでいいので、自分に動く許可をしてあげましょう。
どうしてもつらい時には
抱えすぎて辛いと感じているなら、まず受け入れてくれそうな誰かに
その気持ちを話していましょう。
できない部分が自分にあってもいいのです。
そして、抱え込むことを手放しましょう。
本来あなたはそのために存在しているのではないのですから。
本当のあなたを生きる。
そのためには一人で抱え込みすぎるのではなく、周囲との助け合いや協力が私たちには必要です。
自分に誠実になっていくための一歩から始めていきましょう。
こちらの本の5章でも少し触れています。
よかったらこちらの『失敗を恐れて動けない時に』を参考になさってみてください。
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