鮎川詢裕子メッセージ

正論と傾聴

こんにちは。鮎川詢裕子(あゆかわじゅんこ)です。

夏になると思い出すシーンのひとつに
2年前に参加した山伏修行があります。

父の故郷の山形県鶴岡市の近くの出羽三山を巡るもので
是非一度体験したいと思っていたものです。

山伏修行とは、

「死と再生:生まれ変わり」の体験するもの
といわれるように、俗世界を離れ
白装束をまとい、お山を歩きながら祈りを捧げ、
修行道を学びます。

短期間ながらも、自然を感じ、
自分の内側と外側が合わさるような
貴重な経験となりました。

私がお世話になったのは、大聖坊さん。

 

 

修行中は、何を言われても
話してよい言葉は1つだけ。

それは

「受けたもう」

のみです。

できるとか、できないとかは「ない」
のです。

何があっても「受けたもう」
の精神です。

自然の厳しさや自分の体力のなさ
を痛感しながら
ただただ、何とかついていくのに
精一杯でした。

そして、同時に言葉にならない
生き物としての自分や
自然と共生している感覚、
古に生きた御霊を垣間見る体験となりました。

修行後が終わって星野先達と(ようやくホッとしての笑顔です)

今、この神聖な地に風力発電の建設計画が持ち上がっています。

山形新聞(2020年08月21日)によると、

「前田建設工業(東京都・前田操治社長)が、
鶴岡市内の2区域(一部庄内町を含む)で
風力発電施設の建設を計画し、
環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書の
縦覧を両市町で行っている。最大で発電機計40基を設け
出力12万8千キロワットとする計画で、
2027年4~7月ごろの営業運転開始を予定。

完成すれば県内最大規模となる。

一方、区域の一つの南端は出羽三山神社がある
羽黒山頂から1キロほどの距離で、
反対の声も上がっている。」

 

確かに建設されると、
県内最大規模の発電量になるかもしれません。

また、温暖化をひっくり返すためのランキング
を掲載している書籍「DRAWDOWN」においても
陸上風力発電はCO2削減量のランキング2位です。

 

しかしながら、この取り組みが
古くから山岳信仰の聖地となっているこの場所に
本当にふさわしいのでしょうか?

 

そこで、星野先達はじめ、地元の人々や
大学の先生、出羽三山を愛する人たち、
修行経験がある人達が立ち上がりました。

 

今、署名活動が始まっています。

私も署名しました。

この内容を読むと、どうして建設に反対するのかが
よくわかります。

一方からすると正論であったとしても、
異なる視点からみると、
必ずしもそうとは限りません

いろんな視点や立場の意見が出されて
何が大切なのか?
どうしていくことが一番望ましいのか?

立場を超えて結論が導かれていくこと
が大事になってきます。

このことは、私たちの職場や
組織、大事なプロジェクトでも
同じことが言えます。

立場を超えるには勇気が要ることが
あります。

 

しかしながら、
そこを超えたからこそ、
第三の道が見えてくるのです。

利害関係がある関係者同士では、
なかなか整理がしにくい時に
中立的な第三者による
本来の答えを見つける
手伝いを
活用することができます。

その人が持っている答えは、
その人に貼り付いているものではなくて、
その立場によって変わるということが
よくあります。

*  *  *

「経理」から「営業」に異動したら、意見が変わったりしますよね。

立場がモノを言っているのに、
「本人は立場を自分と自己同一化していることに気づいていない」
ということがよくあります。

「お母さん」「子供」など、ある状況において、
役割からからくる声や感情は、立場の声なので
立場を入れ替わってみると「実感」できたりするんです。

*  *  *

「建設者の立場」から出てみて
「人と自然の共生」の立場に入ってみると
違うものが見えてきます。

固執し対立ているように見える意見も
ひょんなことから
共に目指すより大きな目的や
共通点が見えてくることがあります。

リーダーから見ると「部下が動かない」
部下の立場で見えていることに
気づきにくくなっているケースもよくあります。

経理から見ると、「営業はこうすべきだ」
ということも、全く別の監査部から見ると
原因は営業ではなく「経理」にある
と見えるかもしれません。

組織間連携がうまくいっていない場合にも
対話によって、互いの事情や
盲点となっていた見解が見える時、
明らかにフェーズがかわります。

その場の質感にも、一気に何か創造的な
高まりが生まれるのです。

皆が手をつなぎ、実現していくことが
求められる時代です。

仲間 チーム

そんな社会を願って、
組織づくり、企業づくり、社会づくりに
取り組まさせていただいています。

 

今日もお読みくださりありがとうございます。

鮎川詢裕子


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