鮎川詢裕子メッセージ

私がケーススタディを行わない理由

こんにちは。鮎川詢裕子(あゆかわじゅんこ)です。

社会にインパクトをもたらす組織集団(企業・地域)の変容と、
その変容をリードするリーダーを輩出し、

事業活動の進化とサステナビリティ経営の両立の実現を
支援しています。

 

たまに「どんな仕事をしているんですか?」と
質問を受けて、

「会社の風土や組織変革、組織の能力を引き出す
コンサルティングを行っている」
と、答えると、

「チームビルディングなんですね。」
と、言われることがある。

「チームビルディングとはどんなイメージですか?」
と逆に質問すると、

「ゲームを行ったり、ケーススタディを行うことです。」
と、返事が戻ってくることがよくあります。

そういう意味では、
少し当たってるけど、あまり当たっていません。

事例やケースを使った実習ワークを行うことはありますが、
行うとしてもシンプルなものに絞っています。
敢えてできるだけ行っておりません。

そこには、こだわりと理由があります。
なぜだと思いますか?

確かにケーススタディは素晴らしいです。
ケースがあると、それを基に討論したり、考え
発見し、学ぶことも沢山あります。

しかしながら、そこでの気づきや学び、発見を
自分ごととして、日々の実践に落とし込んでいくには、

「事例からの学び」を受講者が「日常の行動」に変換
していく必要が出てきます。

どんなに素晴らしい学びや、気づきがあったとしても、
実際に行動し、活用していくためには、
学んだ人本人が、学びや気づきを
自分の日々の生き方や仕事のプロセスに
自ら変換しなくてはなりません。

ここで、実践のハードルが上がってしまうのです。

職場に戻ると、これまでの仕事が待っていて、
その中で変化を起こさなくてはならない。

となると、「事例からの学び」を
「日々の実践」に変換する余裕がなければ、
どんなに素晴らしい気づきがあったとしても
実行することができません。

よって、変化や進化が滞ってしまうのです。

そこで、こだわっているのが、
実際に現場で起きている事情や状況、
参加者本人の体験や経験を使った
実習です。

職場や参加者の課題や強み、
水面下に潜んでいる心の声や
願いを引き出していく。

実際に起きている事実に対して、
どんな捉え方を各々がしているのか。

どんなビジョンを持っているのか。

自分(自分たち)にどんな傾向があるのか。

それらに自ら気づいていくような
かかわりをしていくことによって、
その場で、職場に戻る前に変化が起きていく
ことが可能になります。

理論をお伝えすることもありますが、
数が多いと使いこなせません。

そこで、原理原則に近いものを
シンプルにお伝えして、
何度も立ち返っていく。

そのうちに、それが参加者の当たり前に
なっていく。

こういった取り組みによって、
組織やリーダーの変容が
起きやすい状況をつくり出すように
しています。

ある企業からの依頼で、
「3ヶ月でうちの会社を変えて欲しい」
というリクエストをいただいたことがあります。

そんなことできるのかしら?

と思いながら、
現状理解と変化後の状態とエビデンスをすり合わせ、
どんな心理変化が必要か洗い出しプログラムを組み
全力を注ぎました。

そして、
取り組んだ結果、興味深いことが起きました

その3か月の前にヒアリングを一度行って
臨みました。

最初は目に見えた大きな変化はなかったのですが、
3か月目には受講生はもちろん、上層部も
うまくいっていなかった組織間連携も
変わっていったのです。

確かに最初の変化は内側で起きるので
目に見えづらいことがよくあります。

また、これまでの発想や考え方を変容していく
コンテンツを提供したり、
これまでの概念を壊していくような
ワークも行っていくので、
「答えを教えてもらうことに慣れている」人は、
戸惑うことがよくあります。

しかしながら、この戸惑いが大事で、
そこを乗り越えていく時に大きな発見や
意識の変化が起き始めます。

3か月後には、上下間、横の連携が活性化し、
皆がひとつになっていきました。

次世代リーダーの自立がテーマにあったのですが、
経営層の中にも大きく変化した人がいました。

最後に、「これまでのマネジメントが間違っていた」
「申し訳ない」と、言う言葉も出てきました。

距離が離れているメンバーは信頼関係を気づき、
今まで誤解していたと、感謝を語りながら
泣き出す人も現れました

こういったことは、これまでもあったわけですが、
この様子に私自身も驚きました。

さらに2カ月後、その後の状況を伺いに
訪問したところ、
会社のレイアウトが変わり、入り口には
どこかで見たスローガンが掲げられていました。

それまで以上に、受付が磨かれていていたのです。

そして、いくつかの会議室に案内されました。

すると、
その会議室には、ワークショップで伝えた
シンプルな言葉が標語のように
掲げられていたのです!

受講した参加者が先導して
お伝えしたものを参考に部下の育成を
始めていました

これは、うまくいった例のひとつ
ではありますが、
ここまで人や組織は変われるのだ!

 

自分たちで現場のことを考える
材料を渡すことによって、
自分たちで乗り越えていく力を持てるのだ!

と参加者の皆さんから
教えていただきました。

こういった事例が、重なっていくにつれて
現場とどう連動していくかにこだわるように
なりました。

あなたの受けた研修やワークショップで
役に立っているのはどんなものですか?

今日もお読みいただきありがとうございました。

鮎川詢裕子

 

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